前回の記事で、ヤフオクの出品データがいつまで辿れるかを整理しました。結論だけ繰り返すと、自分の出品を一覧から辿れるのは終了後 120 日まで。売上金 CSV に数字は残っても、説明文と画像は残りません。
では、どう残すか。この記事はその続きで、残し方の運用の話です。使うのは Chrome 拡張機能「AucKit 出品データ保存」ですが、考え方自体はどんな方法で控えを取る場合でも同じです。
控えは「一度取って終わり」にならない
出品は毎日動きます。新しく出す、終了する、再出品する、説明文を直す。先週書き出した控えは、今週にはもう実態とズレています。
つまり控えというのは、1 回のイベントではなく回し続ける仕組みの話です。そして「毎週手で書き出す」と決めても、まず続きません。忘れますし、忘れたことに気づくのは必要になったときです。
なので方針はひとつ。人がやることをゼロにする。
毎日決まった時刻に、勝手に書き出される
書き出しフォームの下に「この内容で毎日自動で書き出す」というチェックボックスがあります。チェックを入れて時刻を選ぶだけです。
筆者の環境では約 2,700 件の出品を毎日書き出しています。2 回目以降は画像キャッシュが効くので、全件でも約 1 時間 45 分。書き出しはブラウザの裏側で動くため、この間タブを開いておく必要はありません。深夜に走らせておけば、朝には終わっています。終わると OS の通知が出ます。
時刻は 2 つの条件で選びます。ひとつは、自分の出品が終了しない時間帯であること。実行中に商品が終了すると、その商品は出品中の一覧から外れてしまい、その回の書き出しから欠けます(管理画面にも「終了時間帯をまたぐ実行は避けてください」という注意があります)。もうひとつは、PC で作業していない時間帯であること。書き出しには 1 時間以上かかるので、日中の作業と重ねない方が快適です。入札を集めるために出品の終了は夜 21〜23 時台に設定することが多いはずなので、深夜 1 時〜早朝はこの 2 つを同時に満たしやすい時間帯です。筆者が 1 時にしているのもこの理由です。
設定した時刻にブラウザが起動していなかった場合は、次にブラウザを起動したときに実行されます。毎日 PC を使う出品者なら、実質的に取りこぼしはありません。
書き出したものは「履歴」にたまる
書き出したファイルは、ダウンロードフォルダに直接落ちるのではなく、拡張機能の中の「書き出し履歴」にたまります。
この設計には理由があります。約 2,700 件の全件書き出しは、画像込みで 1 回あたり約 655MB(50MB ずつ 14 本の ZIP に分割)。これを毎日ダウンロードフォルダへ直接落とすと、1 週間で 4.5GB がフォルダに積もります。
履歴方式なら、普段は拡張の中にたまるだけ。手元に置くのは、自分でダウンロードしたものだけです。保存容量の上限(4GB)を超えると、ダウンロード済みの古いものから順に消えていきます。未ダウンロードのファイルが先に消されることはありません。
実務の感覚としては「毎日の控えは勝手にたまっていて、必要になった週に 1 回分だけ取り出す」くらいの距離感で回せます。
ダウンロード先を同期フォルダにしておく
ここからが今回いちばん書きたかった話です。控えの置き場所を、クラウド同期フォルダにします。
やることは 2 つだけです。
- Google ドライブや Dropbox のデスクトップアプリを入れ、同期フォルダを作る
- Chrome の設定でダウンロード先をそのフォルダに変える(またはダウンロード時にそのフォルダを選ぶ)
これで、履歴からダウンロードしたファイルは自動的にクラウドへ同期されます。PC が壊れても、控えは残ります。別の PC からも開けます。
ひとつ正確に書いておくと、この拡張機能自体は外部にデータを送信しません。すべてブラウザの中で完結します。クラウドに上がるのは、ご自身でダウンロードフォルダに保存したファイルが、同期アプリによって同期されるからです。何がどこに置かれるかを自分で決められる、という順序が大事なところです。
フォルダの分け方は凝らなくてかまいません。ヤフオク控え/2026-08/ のように月別で切っておけば、あとから探すのに困りません。ファイル名には書き出し日時が入っているので、同じフォルダに落としても混ざりません。
たまった控えの使いみちは 3 つ
回す仕組みができたら、あとは使うときの話です。
1. オークタウンでの一括再出品の材料にする。 オークタウン(一括出品 ZIP)形式で書き出しておけば、ZIP をそのままオークタウンの一括商品登録に使えます。画像も同梱されているので、ヤフオク側でページが消えたあとでも再出品の材料が揃っています。
2. ZIP を開かずに中身を確認する。 書き出しには、サムネイル付きの一覧 HTML が一緒に保存されます。ブラウザで開くだけで、どの ZIP に何が入っているかを画像付きで確認できます。棚卸しのときに「この商品、まだ出してたっけ」を確かめる用途なら、これだけで足ります。
3. 表計算ソフトで集計する。 汎用 CSV(Excel 対応)形式で書き出せば、落札価格・落札者 ID・ウォッチ数・入札数・終了日時などを列で持てます。ウォッチ数順に並べ替えて「反応はあったのに売れなかったもの」を拾う、といった振り返りは、この形式が向いています。
まとめ
控えは、取ろうと思ったときに取るものではなく、毎日勝手にたまっている状態を先に作るものです。
毎日決まった時刻の書き出しを設定し、ダウンロード先を同期フォルダにしておく。ここまでやれば、あとは必要になったときに履歴から取り出すだけです。前回の記事で書いたとおり、出品ページは終了後 120 日で辿れなくなります。消えてから作り直すのと、たまっている控えから取り出すのとでは、かかる時間が違いすぎます。
拡張機能の詳しい紹介は出品データ保存のページに、今回使った毎日書き出し・履歴・通知の機能追加の経緯はv0.17.0 のお知らせにまとめています。
ご注意
本拡張機能は LINEヤフー株式会社の公式サービスではありません。オークタウンについても、オークタウン株式会社による検証・承認を受けたものではありません。