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ヤフオク発送の「手札」を増やす ─ 配送会社の送り状発行システムに登録して変わる6つのこと

配送会社の送り状発行システムに登録していないと、ヤフオクの発送で選べる手段は実質的にかなり狭くなります。登録すると出品の時点で選べる配送方法が増え、送料も下げられる可能性があります。ヤマト・日本郵便・佐川・西濃それぞれの登録条件と、登録後に残る「お届け先の転記」の減らし方を整理します。

ヤフオク発送の「手札」を増やす ─ 配送会社の送り状発行システムに登録して変わる6つのこと

ヤフオクで発送するとき、配送会社の送り状発行システムに登録していますか

クロネコメンバーズの「送り状発行システムC2」、日本郵便の「Webゆうパックプリント」、佐川急便の「e飛伝Ⅲ」といった、自宅で送り状を作る仕組みのことです。

登録していない状態だと、実質的に選べる発送手段はかなり狭くなります。おてがる配送を使うか、営業所や郵便局の窓口で手書きの伝票を書くか。この2つがほぼすべてです。

配送方法は出品する時点で決めて、商品説明に明記しておくものです。だからこそ、その時点でどれだけ選択肢を持っているかが、そのまま送料と手間の差になります。

この記事では、登録で何が変わるのかを整理したうえで、後半では登録しても残ってしまう作業と、その減らし方について書きます。

送り状発行システムとは

配送会社が用意している、自宅のパソコンとプリンタで送り状を作る仕組みです。営業所で複写式の伝票をもらってきて手書きする、という工程がまるごと不要になります。

主要なものは次の5つです。

システム 配送会社 使い始めるための条件
送り状発行システムC2 ヤマト運輸 クロネコメンバーズ (無料登録)
Webゆうパックプリント 日本郵便 ゆうID (無料登録)
クリックポスト 日本郵便 ゆうID + 決済手段
e飛伝Ⅲ 佐川急便 佐川急便との契約
カンガルー・マジックⅡ 西濃運輸 西濃運輸との契約

上の3つは無料の会員登録だけで使えます。契約が必要なのは下の2つです。この違いは後ろで詳しく書きます。

配送方法は「出品時に決めて、変えない」

先に前提を整理しておきます。

配送方法は、出品する時点で決めて商品説明に明記し、落札後は変えない。これが基本です。

途中で変えようとすると、送料の差額をどちらが持つのかという話になり、落札者との調整が必要になります。とくに送料が落札者負担の場合、この調整はまとまりにくく、取引全体が長引きます。あらかじめ書いてあることを、あとから動かさない。それだけでやりとりは減ります。

同じ理由で、落札者に配送方法を選ばせるのも避けたほうがいいと考えています。通常のECサイトで「配送会社を選んでください」と買い手に聞くことはまずありません。どう送るかは売り手が決めて提示するものです。選ばせれば、そのぶん判断と連絡の往復が増えます。

方針を事前に固めて商品説明に書いておく、という考え方は送料・同梱・着払い・匿名配送の判断でも整理しています。

つまり大事なのは、出品ボタンを押す前に、その商品に一番合う配送方法を選べているかどうかです。手札が2つしかない状態と、5つある状態とでは、ここで出せる答えが変わります。

送り状発行システムに未登録の場合と登録済みの場合で、出品時に選べる配送手段を比べた図

登録すると変わること

1. その商品に合う配送手段を、出品の時点で選べる

出品フォームで配送方法を選ぶ、という作業自体は、おてがる配送でも通常の配送でも変わりません。違うのは、そこで選べる手段をいくつ持っているかです。

送り状発行システムに登録していれば、宅急便・ゆうパック・飛脚宅配便・カンガルー便といった各社の通常サービスを、自宅から送り状を出して使える状態になります。厚みのある小物、重いが小さいもの、軽いが大きいもの——荷物の性質はさまざまで、それぞれ最も安く送れる方法は違います。

登録していない場合、この手札がほぼありません。窓口へ持ち込めば使えますが、毎回そこへ出向くことが前提になります。結果として、その商品に最適とは言えない方法で出品せざるを得ない場面が出てきます。

おてがる配送そのものの向き不向き (サイズ超過時の扱いや持ち込みの手順など) については、前掲の送料まわりの判断で整理しています。

2. 送料そのものが下がる可能性がある

全国一律運賃のサービスは分かりやすい反面、一律であるがゆえに、近距離や小さい荷物では割高になることがあります。

一方、送り状発行システムを使った発送には、条件によって割引が付きます。たとえばヤマト運輸のC2では、自宅集荷または営業所への持ち込みで発送した場合にデジタル割 (60円引き) が適用されます (コンビニ・取扱店から出す場合は対象外です)。

1件60円でも、月に100件出せば6,000円です。

ただし実際の運賃は契約内容・地域・サイズで変わるので、自分の条件で比べてみないと結論は出ません。サイズごとの比較は送料・サイズ比較ツールで確認できます。出品前に送料を確定させておけば、そのまま商品説明に書けます。

3. 集荷と持ち込みを使い分けられる

送り状発行システムに登録していると、多くの場合、同じアカウントで集荷依頼までWeb上で完結します。電話をかける必要がありません。集荷を基本にしておいて、急ぐときだけ持ち込む、という組み立てができます。

集荷が使えるかどうかは、出品数が増えたときに送料の安さ以上に効いてくる要素です。この観点は集荷と領収書で考える配送会社の選び方で詳しく整理しています。

なお持ち込み先の条件は会社によって違うので、ここは正確に押さえておく必要があります。

  • ヤマト運輸のC2で作成した送り状は、営業所・取扱店・コンビニエンスストアのいずれでも使えます (前述のとおり、コンビニ・取扱店の場合はデジタル割の対象外です)
  • Webゆうパックプリントで作成したラベルは、郵便局の窓口でのみ利用できます。コンビニやゆうパック取扱所では使えません

「登録すればどこにでも出せる」わけではない、という点は誤解しやすいところです。

4. 宛名書きがなくなる

手書き伝票がなくなるので、宛名を書く作業そのものが消えます。C2もWebゆうパックプリントもA4の普通紙に印刷できます (ゆうパックラベルはカラープリンタが必要です)。専用用紙を切らして発送が止まる、ということもなくなります。

手書きがなくなるということは、書き間違いによる誤配送のリスクが減るということでもあります。番地を1文字間違えれば荷物は届かず、返送を待って再送する数日と、往復ぶんの送料が消えます。

5. 着払いラベルも自宅で作れる

C2は発払い・着払いを選んで発行できますし、Webゆうパックプリントも着払ゆうパックラベルに対応しています。

もっとも、通常の取引で着払いを選ぶのはおすすめしません (理由は前掲の送料まわりの判断に書いたとおりです)。これが効いてくるのは返品や返送といった例外的な場面です。そうした対応が必要になったときに、営業所へ出向かずに自宅でラベルを用意できるかどうかで、処理にかかる時間がまったく変わります。

6. 追跡と書類がシステム側に残る

発行した送り状の情報はシステム上に残るので、配送状況の確認も同じ画面からできます。追跡番号を控えておいて別サイトで調べる、という手間が減ります。

書類まわりも押さえておくと役に立ちます。C2はインボイス (適格請求書) に対応しており、Webゆうパックプリントは書留・特定記録の受領証も作成できます。事業として継続的に出品している場合、この帳簿の出しやすさは無視できません。この観点も集荷と領収書で考える配送会社の選び方で触れています。

どこから登録するか

扱う商品によって最適な組み合わせは変わりますが、始めるなら無料登録で済む2つからです。

ヤマト運輸 (クロネコメンバーズ → C2) と 日本郵便 (ゆうID → Webゆうパックプリント)。どちらも個人で登録でき、契約も費用も要りません。新品や標準的なサイズの商品を中心に出品するなら、まずこの2つを押さえておけば、宅急便とゆうパックを商品ごとに使い分けられます。

小型で軽い商品を多く扱うなら、クリックポストも加えておくと選択肢が広がります。こちらもゆうIDと決済手段があれば使えます。

佐川急便のe飛伝Ⅲは、佐川急便との契約が必要です。個人でも契約はできますが、スマートクラブ for business への登録 → e飛伝Ⅲの申し込み → 専用送り状の到着、という流れになり、利用開始まで数日かかります (サービス自体の利用料はかかりません)。

西濃運輸のカンガルー・マジックⅡも契約が必要です。契約の条件や、荷物の受け取り方法に関する取り決めは、営業所や取扱量によって異なります。大型の荷物を扱う予定があるなら、最寄りの営業所に条件を確認してみてください。

登録したあとに残る作業

ここまでが登録側の話です。ここからは、登録しても残ってしまう作業の話をします。

送り状発行システムが用意してくれるのは、あくまで空欄の入力フォームです。そこに入れるお届け先情報は、ヤフオクの取引ナビから自分で移すことになります。

送り状に必要な項目は、だいたい次のとおりです。

  • 氏名
  • 郵便番号
  • 住所
  • 電話番号
  • (システムによっては) 品名・個数・サイズ

取引ナビ側ではこれらが別々の行に表示され、送り状システム側でも入力欄が分かれています。つまり項目の数だけコピーと貼り付けが発生します。5項目なら10操作。タブの行き来も加わって、1件あたりおおむね5〜7往復です。

1件30秒で済んだとしても、10件で5分、30件で15分。この作業は1円も生みません

そして、ここでも打ち間違いのリスクが残ります。手で移す工程がある限り、一定の確率で起きます。

手札が増えるほど、この作業は面倒になる

やっかいなのは、使える配送会社が増えたこと自体が、この作業を複雑にするという点です。

5つのシステムは、それぞれ入力欄の数・並び・分割の仕方が違います。C2は届け先の項目が縦に並びますが、e飛伝Ⅲは住所を2行に分けて入力する構成です。同じ「住所」でも、貼り付ける先が1箇所とは限りません。

複数社を使い分けていると、システムごとに手順を覚え直すことになります。せっかく選択肢を増やしたのに、そのぶん手間が増えていく。

CSV一括取り込みは、ヤフオクには合いにくい

「まとめて取り込めばいい」と考えるところですが、ヤフオクの取引ではこれが機能しにくい事情があります。

  • 落札のタイミングがばらばら。1日分をまとめて処理しようとすると発送が翌日にずれる
  • 取引ごとに配送会社が違う。商品ごとに使い分けていると、1つのファイルにまとまらない
  • 書き出す手間のほうが大きい。件数が少ないと、手で入力したほうが速い
  • システム側の仕様がそれぞれ違う。形式を合わせる作業が新たに発生する

そもそもC2はファイル取り込み機能に対応していません。CSV一括は、同じ条件で大量に発送する事業者向けの仕組みで、1件ずつ条件が違うヤフオクの出品とは前提が合いません。この点はe飛伝Ⅲとの往復について書いた記事でも詳しく触れています。

減らす方向は「項目単位」ではなく「1件単位」

項目ごとにコピーする場合と1件まとめてコピーする場合の操作回数の比較

回数を減らすには、項目ごとにコピーするのをやめるしかありません。

お届け先情報を1回でまとめて取得し、送り状システム側の各欄へ一度に流し込む。この形にできれば、5〜7往復だった操作が2回 (コピー1回・貼り付け1回) になります。

AucKit の送り状発行システム連携は、この考え方で作られています。取引ナビで「お届け先情報をコピー」を押し、送り状システム側の画面で「ヤフオクから貼り付け」を押す。項目がいくつあっても、システムがどれでも、操作は2回です。

上で挙げた5つのシステムすべてに対応しているので、使い分けても手順が変わりません。C2でもe飛伝Ⅲでも、押すボタンは同じです。使える配送会社を増やしたときに手間が増えない、という点がこの機能のいちばん実務的な価値だと考えています。

手入力の工程がなくなることも、回数の削減と同じくらい効きます。取引ナビに表示されている値がそのまま入るので、書き間違いが起きようがありません。

送り状を発行したあとの追跡番号の入力についても、取引ナビの発送連絡欄を見直した記事で触れています。送り状システムに登録すると、発行 → 追跡番号の通知、という後工程まで含めて手順を組み直せます。

使うときの前提

  • この連携を使うには、取引ナビ側の「お届け先情報コピー」を有効にしておく必要があります
  • 送り状システムをリモートデスクトップ環境で操作している場合は、両方の環境に拡張機能を入れておく必要があります。この場合のライセンスの扱いは別記事にまとめています

まとめ

  • 配送方法は出品の時点で決めて明記し、落札後は変えない。落札者に選ばせない
  • だからこそ、出品ボタンを押す前にどれだけ手札を持っているかが効いてくる
  • 送り状発行システムに登録していないと、選べる発送手段は実質的にかなり狭い
  • 登録すると各社の通常サービスを自宅から使えるようになり、商品ごとに合う方法を選べる
  • 割引の適用、Web集荷、持ち込み先の選択、宛名書きの解消、追跡と書類の管理といった効果もある
  • ヤマトと日本郵便は無料登録だけで始められる。佐川と西濃は契約が必要で、条件や所要日数が異なる
  • 登録しても、取引ナビから送り状システムへのお届け先の転記は残る。しかも手札が増えるほど複雑になる
  • 項目単位ではなく1件単位でまとめて移せば、操作は2回で済み、書き間違いもなくなる