商品説明を厚くしても質問は減りきらない、それでも書いておく理由については前の記事にまとめました。
この記事はその続きです。書いてあることを聞かれたとき、どう答えるかを扱います。
読むより聞くほうが早い
理由は単純で、相手にとってはそのほうが早いからです。
長い商品説明を読んで該当箇所を探すより、「付属品は本体のみですか」と一行書いて送るほうが手間がかからない。読み手からすれば合理的な選択です。横着ではありますが、責めても質問は減りません。
そしてこの質問は、出品者にとっては純粋なコストです。自分が書いた内容を、もう一度別の言い回しで書き直す作業になります。1件あたり数分でも、積み上がれば無視できません。
ここで起きているのは、他人の都合でこちらの時間が削られるという構図です。ヤフオクに限らず、仕事の時間の多くはこの形で失われていきます。
判断そのものは減らせない
では機械に返信を任せればいいかというと、そうはいきません。質問には答えるべきでないものが混ざっているからです。
回答してはいけない質問があります。 連絡先を書いて直接取引を持ちかけるもの、外部サイトへ誘導するもの。ヤフオクのガイドラインで禁止されており、質問ページにも「質問欄からの直接取引は禁止です」と表示されています。
ここで丁寧な断り文を書いて回答すると、その連絡先が公開された状態で残ります。回答せずに削除するか、違反申告を検討するのが適切です。
回答しないほうがよい相手もいます。 質問者の評価を見て、内容に不安があればブラックリストに入れる。これは機械には任せられない判断です。
答えられないことを推測で答えてはいけません。 手元に商品がなく仕様が分からないとき、「たぶん◯◯だと思います」と書いて実際に違えば、それが公開されたまま残り、後のトラブルの根拠になります。
つまり質問対応とは、答える・断る・答えないを選ぶ判断が本体で、文章を書くのはその後の作業にすぎません。
回答欄の制約
判断が重い理由のひとつが、回答欄の仕様です。
| 制約 | 内容 |
|---|---|
| 300文字まで | 長い説明は入りきらない |
| 改行が無視される | 段落を作っても1行にまとまる |
| 編集・削除ができない | 一度掲載すると取り消せない |
さらに、回答すると質問と回答が他の利用者にも公開されます。特定の相手への返事のつもりでも、商品ページを見た全員が読みます。
取り消せないものが公開される。だから送信前の確認が要ります。取引メッセージも編集・削除ができない点は同じで、そちらは取引メッセージはどこから送るかに整理しました。
判断は人が、作業は道具が
AucKit v0.6.20 で追加した質問返信アシストは、この線引きに沿って作りました。
判断は出品者が行い、文章を書く部分だけを引き受けます。
回答ページの入力欄の上に、答え方を選ぶボタンが出ます。どれを押すか、そもそも押すかどうかは、質問を見て人が決めます。

「説明文から回答」を選ぶと、その商品の商品説明と商品情報を根拠に回答文案を作ります。上の例では、付属品について説明文に書かれている内容と、商品情報に設定した発送までの日数の両方を使っています。
書いてあることを書き写す作業が、確認して送信するだけになります。横着な質問に、こちらのコストをかけずに正確な回答を返すための機能です。
根拠がなければ作りません
商品説明にも商品情報にも答えが見つからない質問では、文案を作成しません。

たとえば手元で測っていない重量や、記載していない仕様。AI が推測で数値を書けば、誤った情報が公開されたまま残ります。書いていないことは書かない、という設計にしました。
このときは「分からないと答える」を使うか、ご自身で入力してください。文案を作らなかった場合はAI の利用回数を消費しません。
送信は必ず人が
作成した文案は入力欄に挿入されるだけです。AucKit が回答を送信することはありません。
内容を確認し、必要に応じて直したうえで、ヤフオクの「確認する」ボタンからご自身で送信してください。公開されて取り消せないものを送る操作は、人が行うべきだと考えています。
直接取引が疑われる質問では作りません
質問文に連絡先や外部サイトへの誘導、直接取引の持ちかけが含まれる可能性があるとき、文案を作成せず注意を表示します。丁寧な断り文を作ることが、かえって連絡先の公開につながるためです。
削除するか違反申告するかは、出品者が決めることです。AucKit は判断材料を出すところまでを担当します。
初期状態ではオフです
この機能は商品説明と質問文を AucKit のサーバー経由で AI へ送信するため、初期状態ではオフです。

オプションの「取引・発送画面」から「AI 質問返信アシスト」をオンにしてご利用ください。AI の利用回数は商品説明文ジェネレーターと共通です。
決断の回数を減らす
人は一日に、大きなことからどうでもいいことまで、たくさんの決断をしています。そしてそのコストの多くは他人が生んでいます。
書いてあることを聞かれる。同じ説明を何度も書く。取引ナビのタブを行き来する。送り状に住所を打ち直す。ひとつひとつは小さくても、判断と操作の回数は積み上がります。
AucKit が目指しているのは、その回数を少しでも減らすことです。判断そのものを奪うのではなく、判断しなくていいことを減らす。答えるかどうかは人が決め、決まった後の作業は道具が引き受ける。今回の機能もその考え方で作りました。