ヤフオクで 1 か月に 150 件売れたことがある。
数字だけ見れば気持ちのいい数字なんだけど、この 150 件をどうやって会計ソフトに入れるかは、出品作業とは別種のしんどさがある。1 件ずつ手入力するわけにもいかないし、ヤフオクのデフォルトの売上金 CSV をそのまま freee に渡しても受け付けてくれない。
この記事は、ある 1 か月分の売上 150 件を freee にまとめて取り込むまでに、AucKit が裏で何をしているのか、freee のどの画面に何を入れたのか、を実証ログとして残すものです。記録の意味合いが強いので、手順の一般的な解説というより、「実際にはこう動いた」という前提で読んでほしい。
全体の流れ
ざっくり書くと、こうなります。
- ヤフオクの売上金管理画面で、月の CSV をダウンロードする
- AucKit の「売上金 CSV 整形」機能で、freee 用の CSV に整形する
- freee の「取引の一括インポート」画面で、整形後の CSV を投入する
- 取り込み結果を確認して、必要があれば個別に修正する
この 4 ステップのうち、時間がかかるのは 1 と 4 だけです。2 と 3 は数分で終わります。
ヤフオクの売上金 CSV は、そのまま freee には入らない
ヤフオクの売上金管理ページからダウンロードできる CSV には、以下のような特徴があります。
- 文字コードが Shift_JIS のため、そのまま Excel で開くと文字化けするケースがある
- 売上明細・振込明細・キャンセル明細が 1 つの CSV に混在 している
- 金額・利用料・実売上の列関係が独自の並びで、freee の想定フォーマットと合わない
- 1 行 1 取引ではなく、支払い方法・決済状況で行数が増減する
これを freee の「取引の一括インポート」画面にそのまま渡すと、 「対応していないフォーマットです」 と弾かれます。手作業で列を並べ直そうとしても、150 件分を Excel で整えるのは現実的ではありません。
AucKit が裏で何をしているか
AucKit の「売上金 CSV 整形」機能は、ヤフオクの売上金管理ページに 「CSV 整形」ボタン を追加します。ボタンを押すと、以下の 4 つの CSV にまとめて分割・整形されます。
- freee_取引インポート.csv ── freee にそのまま渡せるフォーマット
- sales-detail.csv ── 売上明細のみを抜き出したもの
- cash-transfer.csv ── 振込明細のみを抜き出したもの
- cancel.csv ── キャンセル取引のみを抜き出したもの
この記事では、このうち freee_取引インポート.csv を freee に取り込む話に絞ります。
取引タイプの判定
ヤフオク売上 CSV の 1 行がどのタイプか (通常取引 / 振込 / キャンセル) は、支払い方法・決済状況・金額の符号を組み合わせて判定します。AucKit は以下の順序で判定しています。
- 金額が負 → キャンセル (返金または取消)
- 支払い方法が「振込」または「現金振込」 → 振込
- それ以外 → 通常取引
単純に見えますが、実データでは 「支払い方法が振込だがキャンセルされた行」「金額が正だが最終的にキャンセルされた行」 が混じります。AucKit はこれらを組み合わせて判定し、freee 向けには「通常取引の売上のみ」を集約します。振込とキャンセルは別 CSV に切り出されるので、必要があれば別途処理できます。
勘定科目の振分け
freee_取引インポート.csv の各行には、以下の項目が入ります。
- 発生日 ── 取引の落札日 (通常は落札成立日)
- 勘定科目 ── 「売上高」で固定
- 税区分 ── 「課税売上 10%」で固定 (事業者判定に基づく)
- 金額 ── 落札金額 (税込)
- 取引先 ── 「Yahoo!オークション」で固定
- 備考 ── オークション ID + 商品名の要約
特別な処理があるのは「落札システム利用料」で、これは 売上高から差し引かず、freee 側で別途「支払手数料」として計上する運用としています。理由は、税法上の売上は「落札金額 (税込)」の全額であり、そこから利用料を控除するのは経費として別処理するのが会計原則に合うためです。
freee での取り込み画面
freee の 取引の一括インポート 画面を開き、整形後の freee_取引インポート.csv をドラッグ&ドロップします。
取り込み設定は以下のようにします。
- 取込タイプ: 「収入」を選択
- ファイル形式: 「freee フォーマット」を選択 (AucKit の出力はこの形式に合わせている)
- 文字コード: UTF-8
プレビュー画面で 150 件の取引が一覧表示されます。ここで異常がないか (日付・金額・勘定科目) をざっと確認して、「登録する」ボタンを押します。
実際に走らせたときの数字
ある月の売上 150 件を実際に整形 → freee 取り込みまで実行したときの数字が以下です (架空データで例示)。
| 項目 | 件数 / 金額 |
|---|---|
| 元 CSV の総行数 | 168 行 |
| 通常取引 (freee 取込対象) | 150 件 |
| 振込 | 12 件 |
| キャンセル | 6 件 |
| 取込対象の売上合計 | ¥2,500,000 |
| 落札システム利用料 (10%) | ¥250,000 |
| 受取金額 (振込ベース) | ¥2,250,000 |
金額はキリのいい数字で例示しています。実際の運用では、月ごとに端数が出ますが、桁感覚としてはこの規模に収まります。
取り込み後の仕訳プレビュー
freee 側では、取り込んだ 150 件が「取引一覧」に並びます。各行は以下のような形になります。
2026-04-15 売上高 ¥12,500 Yahoo!オークション SAMPLE01 (商品 A)
2026-04-15 売上高 ¥8,900 Yahoo!オークション SAMPLE02 (商品 B)
2026-04-16 売上高 ¥25,000 Yahoo!オークション SAMPLE03 (商品 C)
...
備考欄にオークション ID + 商品名要約が入るので、後日「この売上はどの取引か」を追跡できます。決算前の資料集めや、税務調査対応のときにも役立ちます。
取り込み後にやっておくこと
150 件が freee に入ったあと、以下の確認と処理を行います。
- 合計金額の突合: freee の売上合計とヤフオク側の売上合計が一致するかを確認
- 落札システム利用料の計上: 別途 「支払手数料」として月次で 1 行入れる (今回の例だと ¥250,000)
- 振込明細の確認: 振込明細は cash-transfer.csv に切り出されているので、それをもとに Yahoo!ウォレットからの入金取引を freee に手動登録
- キャンセル取引の確認: 該当月に発生したキャンセルは cancel.csv で確認して、必要があれば返金取引として計上
これらを月次でルーティン化しておくと、決算月に慌てて集計する必要がなくなります。
実務で効いてくるポイント
150 件の月次を数か月続けて回してみて、実務で効いているのは以下の点です。
- 元 CSV から freee 取込までの時間が 数分 で済むので、月末月初の負担が明確に軽くなる
- 備考欄にオークション ID が残るので、後から「どの取引の売上か」を追跡できる
- 振込・キャンセルが別 CSV に切り出されるので、それぞれ別のタイミングで処理できる
- 落札システム利用料を「別枠の経費」として扱うことで、売上金額を全額計上でき、税務上の整合性がクリア
ヤフオク出品を事業として続けるなら、会計処理をどう回すかは避けて通れません。150 件 / 月規模までは、この整形ツール + freee の組み合わせで日常業務に組み込めます。
まとめ
- ヤフオクの売上金 CSV は、そのままでは freee に取り込めない
- AucKit の「売上金 CSV 整形」で、4 つの CSV (freee 取込用 / 売上明細 / 振込 / キャンセル) にまとめて分割・整形される
- freee には 「freee_取引インポート.csv」をドラッグ&ドロップするだけで 150 件がまとめて登録される
- 落札システム利用料は売上高から差し引かず、別枠の「支払手数料」として計上する運用
- 備考欄にオークション ID が入るので、後日の追跡がしやすい
月次で 150 件クラスの売上を回している出品者にとって、会計処理の負担は無視できません。整形と取込のフローが定まれば、月末月初のルーティンとして安定します。